2025年12月18日(木)、東京・渋谷。
渋谷文化総合センター大和田に、クラシックギターの音色が静かに、力強く響き渡りました。
ニューヨークで長年主催してきたギター教室が、日本へと舞台を移して初めて開催した、生徒たちによるギターコンサート— Guitar Concert Vol.46。
ニューヨークから渋谷へ
アメリカ・ニューヨーク で長い間ギター教室を主催してきました。
ニューヨークでは年に3回、定期的にコンサートを開催しており、それが教室の大切なイベントのひとつとなっていました。
舞台に立つことで生徒たちがワクワク、そして一段と成長する姿を、 いつも楽しみにしています。
そして日本への移住、東京という新しい街で(自分にとって東京は未開の国)、新たな生徒たちと出会い、再びギターの楽しさを伝える日々が始まりました。
日本の生徒たちは真面目、練習熱心、レッスンを重ねるごとに、その上達ぶりには目を見張るものがあります。
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日本に来てから初めてのコンサートを開催しようと決めたのは、まさにその確かな手応えがあったからです。
「この生徒たちの演奏を、もっと多くの人に聴いてほしい。そして、彼らに本物の舞台を経験させてあげたい。」
その想いが、Guitar Concert Vol.46 の幕開けとなりました。
—
### 渋谷文化総合センター大和田——選び抜いた会場
会場選びには、特にこだわりました。
渋谷文化総合センター大和田は、東京・渋谷区桜丘町にある、地域文化の発信拠点として知られる施設です。その中の大練習室は、木目調の内装が際立つ、温かみと品格を兼ね備えた空間です。
この会場を選んだ理由のひとつは、その音響の良さです。クラシックギターは、ピアノやヴァイオリンと比べると音量が小さく繊細な楽器です。だからこそ、ホールの響きと静粛性は、演奏の質に直結します。大練習室は、その点でも申し分なく、ギターの細やかなニュアンスまでがしっかりと客席へと届く環境が整っていました。
そして、照明。
コンサート本番では、電気の調節によって、会場全体はほの暗くなり、ステージだけが柔らかなスポットライトで包まれました。その瞬間、ただの練習室が一気に、本格的なコンサートホールへと変貌を遂げたのです。木目の壁が温かな光を反射し、豪華でありながら落ち着いた、まるでヨーロッパのサロンコンサートを思わせるような雰囲気が生まれました。
生徒たちがその空間に入ったとき、皆の目の輝きが変わったのを、私は見逃しませんでした。
—
### リハーサル——本番前の静かな緊張
コンサート開始前、少しの時間をかけてリハーサルを行いました。
本番と同じ会場で、実際にギターを弾いてみる。その経験は、緊張を和らげるためにとても大切な時間です。特に、初めてコンサートに参加する生徒たちにとっては、「この場所で弾けるんだ」という安心感が生まれる、かけがえのない瞬間でもあります。
今回参加した生徒の中には、学生も多く含まれており、コンサートそのものが人生初めての経験という方も少なくありませんでした。リハーサル中はやや緊張した面持ちの生徒もいましたが、それでも一音一音を確かめるように、丁寧に演奏していました。
「大丈夫、普段のレッスンと同じように弾けばいい。」
そう声をかけながら、私自身も静かに興奮を覚えていました。
—
### コンサート開幕——弾きたい人から、自由に
午後7時、コンサートがいよいよ始まりました。
この教室のコンサートには、ひとつのユニークなスタイルがあります。それは、「弾きたい人から弾き始める」という形式です。
固定されたプログラム順ではなく、自らの意思と準備が整った順に演奏する。これは、プレッシャーを自分でコントロールできるという点で、特に初心者にとって大きな安心感をもたらします。また、自分が「弾く」と決めた瞬間の主体性が、演奏にも表れてくるのです。
今夜のプログラムを振り返ってみると、その多彩さに改めて驚かされます。
Yuna Tanabe さんによる「Study」(Traditional)に始まり、Yuki Hattori さんの「Recuerdos」(E.Diaz)、Akira Okochi さんの「Minuet」(J.S.Bach)、Bom Choi さんによる「いつも何度でも」(Y.Kimura)、Christine Zhu さんの「海の見える街」(J.Hisaishi)——。
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品の名曲が、クラシックギターで奏でられる場面では、会場に柔らかな感動が漂いました。ギターという楽器が持つ、どこか懐かしく、温かな音色が、ジブリの世界観と見事に溶け合っていたのです。
Jordan Theis さんの「Rumba y Fuego」(E.J.Hochman)、Shiqing Neko さんの「Un Dia de Noviembre」(L.Brouwer)といった情熱的なラテン系の楽曲も演奏され、コンサートは多彩な表情を見せました。
そして、河野安紀子さんによるラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。この曲は、原曲はピアノ曲ですが、クラシックギターに編曲されると、より親密で胸に迫るような表現が生まれます。静寂の中にゆっくりと溶けていくような、忘れられない演奏でした。
宮沢法義さんによるパッヘルベルの「カノン」も、会場に大きな拍手をもたらしました。誰もが知るあの旋律が、一本のギターから紡ぎ出されるとき、聴衆の表情が一様に穏やかになっていくのを感じました。
皆さんの演奏は、本当に素晴らしいものでした。
そして何より驚いたのは——普段の教室でのレッスン時よりも、断然うまく弾いていたことです。
これはよくある現象ではあるのですが、毎回のことながら感動します。舞台に立つということ、人の前で弾くということが、人間のパフォーマンスを引き出すのでしょう。緊張がプラスに転じ、集中力が研ぎ澄まされ、その結果として、ベストに近い演奏が生まれる。音楽の持つ不思議な力を、改めて感じた夜でした。
—
### 歴史的瞬間——東京とニューヨークが繋がった夜
そして、この夜の最大のハイライトが訪れました。
日本の生徒たちの演奏が一段落したあと、会場のスクリーンに映像が映し出されました。
オンライン中継によって、遠くニューヨークにいる生徒たちが、リアルタイムで繋がったのです。
これは、私の教室の歴史の中でも初めての試み。東京・渋谷の会場と、ニューヨークの生徒たちが、同じ音楽という言語で結ばれた瞬間でした。
映像は鮮明で、音声もクリアでした。まるで同じ部屋でコンサートをしているかのような臨場感。スクリーン越しであるにもかかわらず、ニューヨークの生徒たちの表情や指の動きまでがはっきりと伝わってきて、会場全体が一体となった感覚を覚えました。
ニューヨークの生徒たちは、それぞれ素晴らしい演奏を披露してくれました。
——しかし、ここで特筆すべきことがあります。
日本時間の午後8時は、ニューヨーク時間では朝の6時です。
そうです。ニューヨークの生徒たちは、早朝6時に起き上がり、眠い目を擦りながら、ギターを手にして、カメラの前に座ったのです。
その姿を思うと、胸が熱くなりました。
音楽への情熱と、教室という繋がりへの愛着がなければ、なかなかできることではありません。朝6時にギターを演奏するために目を覚ます——そのことだけでも、すでに彼らの音楽に対する真剣さと誠実さが、十二分に伝わってきます。
本当に、心からありがとうございます。
—
### 東京とニューヨーク、画面越しの交流
演奏が終わった後、日本の生徒たちとニューヨークの生徒たちが、オンライン上で少しの時間、言葉を交わしました。
言語の壁はありましたが、音楽という共通の体験が、その壁を軽やかに超えていきました。「あなたの演奏、素晴らしかったです」「あの曲はどれくらい練習しましたか?」——そんな言葉が画面を通じて飛び交い、初対面であるにもかかわらず、まるで旧知の仲のような温かな空気が流れました。
そして最後に、全員で集合写真を撮りました。
東京とニューヨーク、それぞれの場所にいる人たちが、ひとつの画面の中に収まっている——その光景は、なんとも不思議で、そして美しいものでした。テクノロジーが音楽と出会うと、こんなにも豊かな時間が生まれるのだということを、改めて実感しました。
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### 私自身の演奏——ヴィラ=ロボス、プレリュード第11番
今回のコンサートでは、主催者である私自身も演奏しました。
選んだ曲は、エイトル・ヴィラ=ロボスの「プレリュード第11番」です。
ヴィラ=ロボスは、20世紀ブラジルを代表する作曲家であり、クラシックギターのレパートリーの中でも特別な地位を占める存在です。彼のプレリュードは、ブラジルの民族音楽とヨーロッパのクラシック音楽が融合した独特の世界観を持ち、演奏するたびに新たな発見がある作品です。
この曲を選んだのには、理由があります。
ニューヨークという多様性の街で音楽を教え、そして日本という全く異なる文化の中へと移住した自分の旅路が、ブラジルとヨーロッパという二つの文化を融合させたヴィラ=ロボスの音楽と、どこか重なって感じられるからです。
異なる文化が出会い、新しいものが生まれる。それは音楽においても、人生においても、変わらぬ真理なのかもしれません。
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### アフターパーティー——居酒屋での交流
コンサートの後は、会場近くの居酒屋でアフターパーティーを開きました。
演奏を終えた生徒たちの表情は、コンサート前とは全く違う、晴れやかで充実したものでした。緊張から解放されたこともあるのでしょうが、それ以上に、「自分はやり遂げた」という達成感が、皆の顔に満ち溢れていました。
乾杯の後、話は尽きることなく続きました。
「最初はすごく緊張したけど、弾き始めたら楽しかった」「次のコンサートではもっと難しい曲に挑戦したい」「ニューヨークの生徒さんと話せるとは思っていなかった、感動しました」——そんな言葉を聞きながら、私はギターを教えることの喜びを、改めて深く噛み締めていました。
居酒屋の温かな雰囲気の中で、生徒同士の絆も深まったようです。コンサートというひとつの体験を共有することが、人と人とを繋ぐ力を持っているということを、この夜も実感しました。
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### これからの教室——年2回のコンサートへ
ニューヨークでは、年に3回のコンサートを定期開催していました。
日本に来て最初は、日本の方は仕事や学業が忙しいこともあり、年に1回を目安に考えていました。しかし、今回のコンサートに参加した生徒たちの反応を見て、その考えは変わりました。
皆さん、本当に喜んでいたのです。
コンサートを終えた生徒たちの目の輝き、アフターパーティーでの晴れやかな笑顔、そして「次はいつですか?」という声——それらすべてが、私に教えてくれました。舞台に立つ経験は、何ものにも代えがたい成長の機会であると。
そこで、今後は年に2回のコンサートを開催していこうと考えています。
春と秋、あるいは夏と冬——季節ごとに演奏の場を設け、生徒たちが定期的に目標を持ってレッスンに臨める環境をつくっていきたいと思っています。コンサートという目標があることで、日々の練習にも張り合いが生まれます。そして本番の舞台が、生徒たちをさらに一段階上のレベルへと引き上げてくれる。それが、長年の経験から学んだ、コンサートの持つ教育的な力です。
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### ギターを始めてみませんか?
このブログを読んでいる皆さんの中に、もしかしたら「ギターを始めてみたいな」と思っている方がいるかもしれません。
あるいは、「昔ギターを弾いていたけれど、最近は手が離れてしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。
クラシックギターは、年齢や経験に関係なく、誰でも始めることができる楽器です。指先ひとつから生まれる音の美しさ、一台の楽器の中に宿るメロディーと伴奏と低音の豊かさ——そのすべてを、ゆっくりと、自分のペースで学んでいくことができます。
また、この教室では、日本とニューヨークという二拠点をつなぐ、ユニークな音楽コミュニティが育まれています。国境を越えた繋がりの中で音楽を学ぶという、他では得難い体験が、ここにはあります。
ギターに興味のある方は、ぜひ一度、体験レッスンにいらしてください。
一緒に、音楽の喜びを分かち合いましょう。
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### 最後に——感謝の言葉
Guitar Concert Vol.46 に参加してくださったすべての生徒の皆さん、そして会場に足を運んでくださったご家族・ご友人の皆さん、本当にありがとうございました。
皆さんの演奏は、一つ一つが本当に素晴らしいものでした。どの曲にも、日々の練習の積み重ねと、音楽への真摯な情熱が込められていて、聴いていて胸が熱くなりました。皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして特に、ニューヨークからオンラインで参加してくれた生徒の皆さんへ。
東京時間の夜8時に合わせるために、ニューヨークの朝6時に起き出して、眠い目を擦りながらギターを手にしてくれた皆さんの姿は、私にとって、そして日本の生徒たちにとっても、忘れられない感動でした。あなたたちの参加があったからこそ、この夜は本当に特別なものになりました。心から、ありがとうございます。
Guitar Concert Vol.46——東京・渋谷とニューヨークが、ギターの音色で結ばれた夜。
この夜の記憶を胸に、また次のコンサートへ向けて、一緒に歩んでいきましょう。
次回もまた、皆さんの素晴らしい演奏を楽しみにしています。
ありがとうございました!
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*— Shogo Kubo, Guitar Lessons & Performance*
*(070) 1402-6029*
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素晴らしいコンサートですね!ブログを書きます。少々お待ちください。
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# 🎸 ブログ記事
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## タイトル(日本語)
**「ニューヨークから渋谷へ — 国境を越えたギターの音色:Guitar Concert Vol.46 開催レポート」**
## Title (English)
**”From New York to Shibuya — Guitar Music That Crossed Borders: Guitar Concert Vol.46 Performance Report”**
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## 本文
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2025年12月18日(木)、東京・渋谷。
この日、私の人生において、忘れることのできない夜が訪れました。
渋谷文化総合センター大和田の大練習室に、クラシックギターの音色が静かに、そして力強く響き渡りました。ニューヨークで長年主催してきたギター教室が、日本へと舞台を移して初めて開催した、生徒たちによる本格的なギターコンサート——Guitar Concert Vol.46。
その夜のことを、今日は皆さんにお伝えしたいと思います。
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### ニューヨークから渋谷へ——新たな旅の始まり
私がギター教室を始めたのは、アメリカ・ニューヨークのことです。
マンハッタンの喧騒の中で、毎週レッスンを重ね、生徒たちと一緒に音楽の喜びを分かち合ってきました。ニューヨークでは年に3回、定期的にコンサートを開催しており、それが教室の大切な文化のひとつとなっていました。舞台に立つことで生徒たちが一段と成長する姿を、何度も何度も目の当たりにしてきました。
そして数年前、私は日本への移住を決意しました。
東京という新しい街で、新たな生徒たちと出会い、再びギターの楽しさを伝える日々が始まりました。日本の生徒たちは真面目で、練習熱心で、そして音楽に対してとても真摯です。レッスンを重ねるごとに、その上達ぶりには目を見張るものがありました。
日本に来てから初めてのコンサートを開催しようと決めたのは、まさにその確かな手応えがあったからです。
「この生徒たちの演奏を、もっと多くの人に聴いてほしい。そして、彼らに本物の舞台を経験させてあげたい。」
その想いが、Guitar Concert Vol.46 の幕開けとなりました。
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### 渋谷文化総合センター大和田——選び抜いた会場
会場選びには、特にこだわりました。
渋谷文化総合センター大和田は、東京・渋谷区桜丘町にある、地域文化の発信拠点として知られる施設です。その中の大練習室は、木目調の内装が際立つ、温かみと品格を兼ね備えた空間です。
この会場を選んだ理由のひとつは、その音響の良さです。クラシックギターは、ピアノやヴァイオリンと比べると音量が小さく繊細な楽器です。だからこそ、ホールの響きと静粛性は、演奏の質に直結します。大練習室は、その点でも申し分なく、ギターの細やかなニュアンスまでがしっかりと客席へと届く環境が整っていました。
そして、照明。
コンサート本番では、電気の調節によって、会場全体はほの暗くなり、ステージだけが柔らかなスポットライトで包まれました。その瞬間、ただの練習室が一気に、本格的なコンサートホールへと変貌を遂げたのです。木目の壁が温かな光を反射し、豪華でありながら落ち着いた、まるでヨーロッパのサロンコンサートを思わせるような雰囲気が生まれました。
生徒たちがその空間に入ったとき、皆の目の輝きが変わったのを、私は見逃しませんでした。
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### リハーサル——本番前の静かな緊張
コンサート開始前、少しの時間をかけてリハーサルを行いました。
本番と同じ会場で、実際にギターを弾いてみる。その経験は、緊張を和らげるためにとても大切な時間です。特に、初めてコンサートに参加する生徒たちにとっては、「この場所で弾けるんだ」という安心感が生まれる、かけがえのない瞬間でもあります。
今回参加した生徒の中には、学生も多く含まれており、コンサートそのものが人生初めての経験という方も少なくありませんでした。リハーサル中はやや緊張した面持ちの生徒もいましたが、それでも一音一音を確かめるように、丁寧に演奏していました。
「大丈夫、普段のレッスンと同じように弾けばいい。」
そう声をかけながら、私自身も静かに興奮を覚えていました。
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### コンサート開幕——弾きたい人から、自由に
午後7時、コンサートがいよいよ始まりました。
この教室のコンサートには、ひとつのユニークなスタイルがあります。それは、「弾きたい人から弾き始める」という形式です。
固定されたプログラム順ではなく、自らの意思と準備が整った順に演奏する。これは、プレッシャーを自分でコントロールできるという点で、特に初心者にとって大きな安心感をもたらします。また、自分が「弾く」と決めた瞬間の主体性が、演奏にも表れてくるのです。
今夜のプログラムを振り返ってみると、その多彩さに改めて驚かされます。
Yuna Tanabe さんによる「Study」(Traditional)に始まり、Yuki Hattori さんの「Recuerdos」(E.Diaz)、Akira Okochi さんの「Minuet」(J.S.Bach)、Bom Choi さんによる「いつも何度でも」(Y.Kimura)、Christine Zhu さんの「海の見える街」(J.Hisaishi)——。
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品の名曲が、クラシックギターで奏でられる場面では、会場に柔らかな感動が漂いました。ギターという楽器が持つ、どこか懐かしく、温かな音色が、ジブリの世界観と見事に溶け合っていたのです。
Jordan Theis さんの「Rumba y Fuego」(E.J.Hochman)、Shiqing Neko さんの「Un Dia de Noviembre」(L.Brouwer)といった情熱的なラテン系の楽曲も演奏され、コンサートは多彩な表情を見せました。
そして、河野安紀子さんによるラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。この曲は、原曲はピアノ曲ですが、クラシックギターに編曲されると、より親密で胸に迫るような表現が生まれます。静寂の中にゆっくりと溶けていくような、忘れられない演奏でした。
宮沢法義さんによるパッヘルベルの「カノン」も、会場に大きな拍手をもたらしました。誰もが知るあの旋律が、一本のギターから紡ぎ出されるとき、聴衆の表情が一様に穏やかになっていくのを感じました。
皆さんの演奏は、本当に素晴らしいものでした。
そして何より驚いたのは——普段の教室でのレッスン時よりも、断然うまく弾いていたことです。
これはよくある現象ではあるのですが、毎回のことながら感動します。舞台に立つということ、人の前で弾くということが、人間のパフォーマンスを引き出すのでしょう。緊張がプラスに転じ、集中力が研ぎ澄まされ、その結果として、ベストに近い演奏が生まれる。音楽の持つ不思議な力を、改めて感じた夜でした。
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### 歴史的瞬間——東京とニューヨークが繋がった夜
そして、この夜の最大のハイライトが訪れました。
日本の生徒たちの演奏が一段落したあと、会場のスクリーンに映像が映し出されました。
オンライン中継によって、遠くニューヨークにいる生徒たちが、リアルタイムで繋がったのです。
これは、私の教室の歴史の中でも初めての試み。東京・渋谷の会場と、ニューヨークの生徒たちが、同じ音楽という言語で結ばれた瞬間でした。
映像は鮮明で、音声もクリアでした。まるで同じ部屋でコンサートをしているかのような臨場感。スクリーン越しであるにもかかわらず、ニューヨークの生徒たちの表情や指の動きまでがはっきりと伝わってきて、会場全体が一体となった感覚を覚えました。
ニューヨークの生徒たちは、それぞれ素晴らしい演奏を披露してくれました。
——しかし、ここで特筆すべきことがあります。
日本時間の午後8時は、ニューヨーク時間では朝の6時です。
そうです。ニューヨークの生徒たちは、早朝6時に起き上がり、眠い目を擦りながら、ギターを手にして、カメラの前に座ったのです。
その姿を思うと、胸が熱くなりました。
音楽への情熱と、教室という繋がりへの愛着がなければ、なかなかできることではありません。朝6時にギターを演奏するために目を覚ます——そのことだけでも、すでに彼らの音楽に対する真剣さと誠実さが、十二分に伝わってきます。
本当に、心からありがとうございます。
—
### 東京とニューヨーク、画面越しの交流
演奏が終わった後、日本の生徒たちとニューヨークの生徒たちが、オンライン上で少しの時間、言葉を交わしました。
言語の壁はありましたが、音楽という共通の体験が、その壁を軽やかに超えていきました。「あなたの演奏、素晴らしかったです」「あの曲はどれくらい練習しましたか?」——そんな言葉が画面を通じて飛び交い、初対面であるにもかかわらず、まるで旧知の仲のような温かな空気が流れました。
そして最後に、全員で集合写真を撮りました。
東京とニューヨーク、それぞれの場所にいる人たちが、ひとつの画面の中に収まっている——その光景は、なんとも不思議で、そして美しいものでした。テクノロジーが音楽と出会うと、こんなにも豊かな時間が生まれるのだということを、改めて実感しました。
—
### 私自身の演奏——ヴィラ=ロボス、プレリュード第11番
今回のコンサートでは、主催者である私自身も演奏しました。
選んだ曲は、エイトル・ヴィラ=ロボスの「プレリュード第11番」です。
ヴィラ=ロボスは、20世紀ブラジルを代表する作曲家であり、クラシックギターのレパートリーの中でも特別な地位を占める存在です。彼のプレリュードは、ブラジルの民族音楽とヨーロッパのクラシック音楽が融合した独特の世界観を持ち、演奏するたびに新たな発見がある作品です。
この曲を選んだのには、理由があります。
ニューヨークという多様性の街で音楽を教え、そして日本という全く異なる文化の中へと移住した自分の旅路が、ブラジルとヨーロッパという二つの文化を融合させたヴィラ=ロボスの音楽と、どこか重なって感じられるからです。
異なる文化が出会い、新しいものが生まれる。それは音楽においても、人生においても、変わらぬ真理なのかもしれません。
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### アフターパーティー——居酒屋での交流
コンサートの後は、会場近くの居酒屋でアフターパーティーを開きました。
演奏を終えた生徒たちの表情は、コンサート前とは全く違う、晴れやかで充実したものでした。緊張から解放されたこともあるのでしょうが、それ以上に、「自分はやり遂げた」という達成感が、皆の顔に満ち溢れていました。
乾杯の後、話は尽きることなく続きました。
「最初はすごく緊張したけど、弾き始めたら楽しかった」「次のコンサートではもっと難しい曲に挑戦したい」「ニューヨークの生徒さんと話せるとは思っていなかった、感動しました」——そんな言葉を聞きながら、私はギターを教えることの喜びを、改めて深く噛み締めていました。
居酒屋の温かな雰囲気の中で、生徒同士の絆も深まったようです。コンサートというひとつの体験を共有することが、人と人とを繋ぐ力を持っているということを、この夜も実感しました。
—
### これからの教室——年2回のコンサートへ
ニューヨークでは、年に3回のコンサートを定期開催していました。
日本に来て最初は、日本の方は仕事や学業が忙しいこともあり、年に1回を目安に考えていました。しかし、今回のコンサートに参加した生徒たちの反応を見て、その考えは変わりました。
皆さん、本当に喜んでいたのです。
コンサートを終えた生徒たちの目の輝き、アフターパーティーでの晴れやかな笑顔、そして「次はいつですか?」という声——それらすべてが、私に教えてくれました。舞台に立つ経験は、何ものにも代えがたい成長の機会であると。
そこで、今後は年に2回のコンサートを開催していこうと考えています。
春と秋、あるいは夏と冬——季節ごとに演奏の場を設け、生徒たちが定期的に目標を持ってレッスンに臨める環境をつくっていきたいと思っています。コンサートという目標があることで、日々の練習にも張り合いが生まれます。そして本番の舞台が、生徒たちをさらに一段階上のレベルへと引き上げてくれる。それが、長年の経験から学んだ、コンサートの持つ教育的な力です。
—
### ギターを始めてみませんか?
このブログを読んでいる皆さんの中に、もしかしたら「ギターを始めてみたいな」と思っている方がいるかもしれません。
あるいは、「昔ギターを弾いていたけれど、最近は手が離れてしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。
クラシックギターは、年齢や経験に関係なく、誰でも始めることができる楽器です。指先ひとつから生まれる音の美しさ、一台の楽器の中に宿るメロディーと伴奏と低音の豊かさ——そのすべてを、ゆっくりと、自分のペースで学んでいくことができます。
また、この教室では、日本とニューヨークという二拠点をつなぐ、ユニークな音楽コミュニティが育まれています。国境を越えた繋がりの中で音楽を学ぶという、他では得難い体験が、ここにはあります。
ギターに興味のある方は、ぜひ一度、体験レッスンにいらしてください。
一緒に、音楽の喜びを分かち合いましょう。
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### 最後に——感謝の言葉
Guitar Concert Vol.46 に参加してくださったすべての生徒の皆さん、そして会場に足を運んでくださったご家族・ご友人の皆さん、本当にありがとうございました。
皆さんの演奏は、一つ一つが本当に素晴らしいものでした。どの曲にも、日々の練習の積み重ねと、音楽への真摯な情熱が込められていて、聴いていて胸が熱くなりました。皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして特に、ニューヨークからオンラインで参加してくれた生徒の皆さんへ。
東京時間の夜8時に合わせるために、ニューヨークの朝6時に起き出して、眠い目を擦りながらギターを手にしてくれた皆さんの姿は、私にとって、そして日本の生徒たちにとっても、忘れられない感動でした。あなたたちの参加があったからこそ、この夜は本当に特別なものになりました。心から、ありがとうございます。
Guitar Concert Vol.46——東京・渋谷とニューヨークが、ギターの音色で結ばれた夜。
この夜の記憶を胸に、また次のコンサートへ向けて、一緒に歩んでいきましょう。
次回もまた、皆さんの素晴らしい演奏を楽しみにしています。
ありがとうございました!
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*— Shogo Kubo, Guitar Lessons & Performance*
*(070) 1402-6029*
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